同調行動 なぜ人は行列に並ぶのか?
人気ラーメン店や、流行りのタピオカ、パンケーキ屋さん。他に似たお店はたくさんあるのに、どうして人はわざわざ長い時間行列に並んでまでも食べようとするのでしょうか?
それは、「同調行動」と呼ばれる心理学で説明できます。
ミルグラムの実験
アメリカの社会心理学者ミルグラムが、NYのビル街で数人のサクラが路上で高層ビルを見上げていたら、どのくらいの人がつられて立ち止まって見上げるかを調べる実験を行いました。
3人のサクラ⇒6割が立ち止まって見上げた
5人以上⇒通行人の8割が立ち止まって見上げた。
その結果、3人のサクラが特定のビルを見上げていた場合は6割の通行人が立ち止まったのに対し、サクラの数を5人以上にした場合は8割の人が立ち止まってビルを見上げるということがわかりました。
アッシュの実験
ミルグラムの実験とは別に、アメリカの心理学者アッシュが他人と同じ行動をとろうとする心理をうまく検証した実験があります。
3本の直線を被験者に見せ、事前に見せた直線の長さと同じものを選ぶテストをします。
てすとは9人で行われるが、8人がサクラです。サクラは全員間違った回答をして、最後に順番が回ってきた被験者に答えを聞くというものです。
結果、被験者の多くが間違えているのではないかと思いつつも、ほかの8人と同じ回答をしてしまいました。自分ひとりだけ間違った回答をするのは不安だという心理をうまく説明しています。こうして、自分の判断より、人の判断を優先させてしまうのです。
人はなるべく他人と同じ行動をとることで、安心感を得ようとしているのです。
すなわち、行列のできるお店がおいしいと思うのは、人の評価に頼りたいという心理の表れです。